COLUMN
コラム
できたシミを消すことは容易ではなく、シミを作らないようにするための予防対策が必要です。
シミの予防対策には、プラセンタがおすすめです。
プラセンタは高い美容効果があるとされており、肌の若々しさをキープする効果が期待できます。
ただし、「プラセンタを使用しているからシミ対策は大丈夫だろう」と考えることは禁物です。
紫外線などの対策を行いつつ、プラセンタを正しく使用することが大切です。
そこで今回は、プラセンタの種類やシミの予防ができる理由、シミができる原因もあわせて解説していくので、ぜひ参考にしてください。
プラセンタの種類と使用上の注意点
プラセンタの種類や、使用上の注意点について解説します。
プラセンタについて
プラセンタとは胎盤のことで、胎盤には生き物の成長に不可欠な栄養成分が豊富に含まれています。プラセンタには動物性のものや植物性のもの、海洋性のものなどがあり、用途に応じて最適な種類は異なります。
■ヒトプラセンタ
ヒトプラセンタとは、人の胎盤からつくられるプラセンタです。ヒトプラセンタに含まれる豊富な栄養分が注目され、古来より美容や医療の分野で使用されてきました。
日本では1950年から医薬品としての使用が進み、2024年現在ではラエンネックとメルスモンという2種類のプラセンタが、肝機能障害や更年期障害に対する医療用医薬品として厚生労働省から認可を受けています。
■豚プラセンタ
豚プラセンタとは、豚の後産時に得られる胎盤のことです。豚プラセンタは健康な豚から取られ、適切に加工が行われていることを確認されたものが流通しています。
ヒトプラセンタと比べると、豚プラセンタは価格が安い傾向にあります。
■羊プラセンタ
羊プラセンタは、ヨーロッパやアメリカなどで人気が高いプラセンタです。日本で流通している羊プラセンタは、海外からの輸入品が多く、中でもニュージーランド産やオーストラリア産は安全性が高いといわれています。
また、羊は免疫力が高く病気に罹患しにくいという特徴を持っているため、人の身体に及ぼす影響も少ないと考えられています。ただし、日本では流通量が非常に少なく一般的にはあまり使用されていません。
■馬プラセンタ
馬プラセンタは、豚プラセンタと比べて300倍ともいわれるアミノ酸が含まれており、近年人気が高まっている傾向にあります。豚プラセンタの次に幅広く使用され、高価なプラセンタサプリに配合されていることが多いです。
多くの場合、馬プラセンタはサラブレッドが原料になっています。
サラブレッドは厳しい品質管理の下で飼育されているため、母体である馬の品質が高く、その胎盤である馬プラセンタの品質や安全性も高いといえるでしょう。
ただ、馬プラセンタが配合された製品の中には、馬プラセンタの含有量が少ないものもあります。
そのため、馬プラセンタが配合された製品を購入する場合は、成分表示を確認することがおすすめです。
■植物性プラセンタ
植物には胎盤がないのに、なぜ植物性プラセンタと呼ばれるものがあるのか、疑問に感じている人もいらっしゃるのではないでしょうか。植物には「胎座」と呼ばれる、発芽が起きる部分があります。
胎座は胎盤と似た働きをし、胎座から抽出したものが植物性プラセンタといわれているのです。
植物性プラセンタにはアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれているため、美容や健康への効果が期待できます。
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プラセンタを使用する上での注意点
プラセンタを使用する上での注意点について解説します。■アレルギーについて
プラセンタにはほとんど副作用がないといわれていますが、ごくまれにアレルギーが起こる場合があります。まれに赤みや腫れ、蕁麻疹といった反応が起こる可能性があるでしょう。
アレルギー反応が出た場合は、すぐに使用を中止し、医療機関へ相談をしてください。
また、豚や牛などの動物由来のプラセンタの場合はその動物自体にアレルギーがあるとアレルギー症状が出る場合があります。使用する前に必ず医療機関に相談しましょう。
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■シミの悪化について
プラセンタ製品を使用している人の中には、プラセンタ製品を使う前よりシミが目立ってきたと感じる人もいます。これはシミが悪化したわけではなく、プラセンタの作用によって肌全体のくすみが改善されることでシミが目立つようになるために生じる現象です。
使用を継続していれば、シミ自体も薄くなっていくため次第にシミも目立たなくなります。過度なご不安は不要ですが、プラセンタを使用後の肌の状態が気になる場合は医療機関での相談をおすすめします。
シミができる原因とプラセンタの効果
シミができる原因はさまざまあります。プラセンタはこれらのシミの原因に、どのような効果をもたらすのでしょうか。
ここではシミができる原因と、シミに対するプラセンタの効果について解説します。
シミができる原因
シミができる原因は主に4つあります。■紫外線
紫外線は、シミの最も多い原因です。紫外線を浴びると、肌の奥にあるメラノサイトが刺激され、多くのメラニン色素が生成されるようになります。
本来、メラニン色素は紫外線から皮膚を守る働きをし、ターンオーバーのサイクルである約6週間で肌の表面から追い出されていくため、シミとして長い期間肌に留まることはありません。
しかし、ストレスなどによりターンオーバーが乱れると周期が長くなってしまい、メラニン色素が長い間肌に残留します。
また、紫外線を浴び過ぎるとメラニン色素が多量に生成されるため、ターンオーバーでのメラニン色素の排出が追いつかなくなるなるのもシミの原因となります。
プラセンタには肌を再生・修復する効果や、ターンオーバーを整える効果があります。
紫外線を浴び過ぎたときや、肌荒れが目立つなどターンオーバーが乱れていると感じたときは、プラセンタが配合された化粧品やサプリメントなどを使用することで、シミの予防に繋がるでしょう。
■活性酸素
活性酸素とは、呼吸によって取り込んだ酸素の一部が、加齢や紫外線、ストレスなどにより活性化された状態のことです。活性酸素は身体を酸化させる性質を持ち、取り込んだ酸素の内約2%が活性酸素になるといわれています。
活性酸素はメラノサイトの働きを刺激し、メラニン色素が過剰に生成されてしまい、シミができる原因の一端となるのです。
プラセンタには活性酸素の除去を促進する効果があるため、シミ予防の効果が期待できるでしょう。
■ターンオーバーの乱れ
肌のターンオーバーとは、表皮の生まれ変わりの周期のことです。皮膚は「皮下組織」「真皮」「表皮」の3つから成り立ち、表皮は「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角質層(角層)」の4層があります。
表皮を形成する細胞の90%以上はケラチノサイトと呼ばれる細胞です。
ケラチノサイトは基底層で作られており、新しいケラチノサイトが作られると、古いケラチノサイトは肌表面に押し上げられ、最終的には剥がれ落ちます。
ターンオーバーが乱れると、ケラチノサイトが作られてから剥がれ落ちるまでの一連の流れに滞りが生じ、古いケラチノサイトが残ったままになってしまいます。
その結果、表皮の奥で作られたシミの原因であるメラニン色素が排出されず、古い細胞とともに表皮に蓄積されることになるのです。
プラセンタ配合のサプリメントを摂取することで、プラセンタに含まれる成長因子が細胞分裂を活性化させ、ターンオーバーを促す効果を得られるためシミの予防が期待できます。
プラセンタの効果
プラセンタにはシミ予防など、さまざまな効果があります。
特に「医薬部外品」と表示がある製品は効果が高いため、プラセンタ配合の化粧品を探すときは、医薬部外品と表示があるものを選ぶと、効果を実感しやすいでしょう。
■シミ予防
シミは、大きく分けて6種類に分類されます。● 老人性色素斑
● 色素沈着
● そばかす
● 肝斑
● 脂漏性角化症
● 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
プラセンタは、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果や、女性ホルモンであるエストロゲンを増やす効果が期待できるため、これらのシミを予防できるでしょう。
■チロシナーゼの活性化を妨げる
プラセンタには、メラニン色素生成の要因の1つである、チロシナーゼの活性化を抑える働きがあります。メラノサイトはチロシナーゼの働きがなければ、メラニン色素を生成できないため、シミの予防に繋がります。
■肌を整える
プラセンタには抗炎症作用や、肌の細胞を修復する効果があります。そのため、ニキビの改善や肌荒れといった肌トラブル、皮膚の炎症で起こる痒みが治まるなどの期待ができるでしょう。
その結果、肌へのダメージが抑えられ将来的なシミの予防にもつながります。
■抗酸化作用
活性酸素が増えると、コラーゲンやエラスチン(弾性線維の性質を持ったタンパク質)などが破壊され、肌の若々しさが失われます。また、ターンオーバーの乱れや乾燥肌、肌荒れを引き起こすでしょう。
プラセンタには抗酸化作用があるため、活性酸素の発生や働きを抑える力があり、シミを予防するだけでなく若々しい肌へと導く効果も期待できます。
■シワへの働きかけ
プラセンタは乾燥小ジワや、ほうれい線・目の下のシワなどの、大きなシワにも効果が期待できます。乾燥小ジワは、肌の水分不足などによる乾燥が原因でできますが、プラセンタには角質層に水分を保持させる働きがあるため、乾燥小ジワの予防に繋がります。
またほうれい線などの大きなシワは、肌弾力や肌のハリを保つために必要なエラスチンやコラーゲンが、減少することが原因といわれていることはご存じでしょうか。
プラセンタに含まれる成長因子が、細胞の活性化のために、エラスチンやコラーゲンにアプローチをしてくれます。
プラセンタが美容に効果的な理由はこちら
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シミの予防におすすめのプラセンタの種類
プラセンタが配合された製品は、乾燥肌や脂性肌、混合肌といった肌質や年齢を問わずに、使用することができます。
プラセンタが配合された製品の種類はさまざまです。
選び方もあわせて、以下で詳しく解説します。
化粧品
プラセンタが配合された化粧品は、主にスキンケアで使用する場合が多いです。化粧水や美容液など、プラセンタが配合された化粧品を使用する場合は、アレルギーの有無を調べるためにも顔に塗る前に二の腕などでパッチテストを行ってください。
また、化粧品を選ぶときはプラセンタ濃度が高いものを選ぶことがおすすめです。
化粧品の成分表は配合量が多い順に記載されているため、掲載順位が早いほど、配合量が多いといえます。
医薬部外品を使用する場合は、有効成分も確認しましょう。
医薬部外品ではプラセンタと記載されていないこともありますが、以下の表示が成分表に記載されていれば、プラセンタが配合されています。
● 胎盤抽出液(1)
● 胎盤抽出液(2)
● プラセンタエキス-1
● プラセンタエキス-2
● 胎盤抽出液-1
● 胎盤抽出液-2
経口摂取
プラセンタが経口摂取できる製品としては、美容ドリンクやサプリメントなどが一般的に知られているでしょう。プラセンタのサプリメントには、市販で購入できるものと、病院で処方してもらえるものがあります。
プラセンタのサプリメントには、錠剤タイプ、ドリンクタイプ、粉末タイプがあります。
ドリンクタイプは甘めの味付けがしてあるため飲みやすいですが、ほかのタイプに比べてカロリーが高い傾向にあるため、カロリー制限がある人は注意が必要です。
慢性疾患や病気の治療などで服薬されている人は、プラセンタのサプリメントや美容ドリンクを摂取する前に、担当医に相談をしてから摂取してください。
また、すでに服用中のサプリメントがある場合、プラセンタも一緒に摂取して問題がないかも、確認が必要です。
プラセンタの内服薬はこちら
注射
プラセンタ注射は病院で接種することが可能です。プラセンタ注射は、更年期障害や乳汁分泌不全、肝機能障害の改善目的で接種を受ける場合、保険適応になることがあるため、医療機関に確認をしましょう。
ただし、美容目的での接種の場合は自費となり、料金相場は1回につき1,500円程です。
プラセンタ注射は定期的な接種が推奨されており、週に1~2回を目安に接種すると良いでしょう。
なお、プラセンタ注射を受けると、感染症リスクを避けるため献血ができなくなるので、ご注意ください。
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シミに効果的なプラセンタの取り入れ方
シミに効果的なプラセンタの取り入れ方は、身体の外と中の両方から取り入れることです。
化粧品などに配合されたプラセンタと経口摂取のプラセンタ、あるいは注射による接種をあわせることで、身体の細胞が生まれ変わりやすくなります。
まとめ
今回はシミ予防におすすめのプラセンタを紹介しました。
プラセンタはシミができるさまざまな原因に効果を発揮するため、シミの予防が期待できます。
また、プラセンタ配合の製品を選ぶときは、プラセンタの配合量が多いものを選ぶことをおすすめします。
美容効果の高いプラセンタを上手に取り入れて、シミを予防し、若々しい肌を保ちましょう。
監修者
成田亜希子
2011年医師免許取得。総合診療医として研鑽を積み、現在は美容系クリニックで統括医師と勤める。
日々、美容に悩む患者さんの診療に従事しており、シミやシワ、薄毛を予防することの重要性を説いている。
また、医療行政に携わっていた経験もあり地域住民の健康課題を抽出し、健康寿命増進政策に深く関わっていた。