COLUMN
コラム
プラセンタとは
まず、プラセンタの種類や歴史をご紹介します。プラセンタの種類
プラセンタは哺乳類の胎盤のことで、胎盤から抽出したエキスが医療や美容に活用されています。 胎盤は胎児に栄養を送るための器官ですから、非常に豊富な栄養成分を含んでいます。 注射、錠剤やカプセルなどの内服薬、美容ドリンク、化粧水などのスキンケア用品、サプリメントなど、プラセンタを含んだ製品の形状も摂取方法もさまざまです。 プラセンタには、ヒト由来のものと、豚、馬、羊などの動物由来のもの、そのほかには、植物性のものと魚由来の海洋性のものがあります。 正確にいえば、植物と魚には胎盤がありませんが、胎盤に相当する部位から抽出したものを、プラセンタと呼んでいます。プラセンタの歴史
プラセンタの歴史は古く、古代エジプトの女王クレオパトラや中世フランスのマリーアントワネット、近代では、オードリー・ヘップバーンやマリリン・モンローが美容や健康目的に活用していた、といわれています。 歴史に名を刻んだ女性たちに活用されたプラセンタは、現代においても、その美容効果や健康効果が注目され続けています。 日本では、1950年代に医薬品として認められ、医療の現場では、更年期障害などの治療にプラセンタ注射が活用されてきました。プラセンタに期待されている効果
プラセンタはインナーケアによく活用されています。 インナーケアとは、体の中の不調を修復し整えることで、健やかさや美しさを目指す方法です。 プラセンタには、アミノ酸やミネラル、ビタミンなどが豊富に含まれています。 これらの栄養成分の働きで、体の自然治癒力が高まり、不調や気になる症状の改善につながるのです。 具体的に期待できる効果を紹介します。美容医療の期待される効果
メラニン色素はシミのもとになり、活性酸素は肌や体の老化を招くことで知られています。 プラセンタには、メラニンの生成や活性酸素を抑制する作用があり、且つ、血行を促進し新陳代謝を高める働きもしますので、シミやソバカスの予防効果が期待できます。 さらに、プラセンタの成分で注目されているのが、線維芽細胞の増殖をサポートする増殖因子です。 繊維芽細胞は、コラーゲンやヒアルロン酸などを作る働きをしますので、繊維芽細胞の増殖が活性化すれば、肌のハリやうるおいにつながります。プラセンタ治療の期待される効果
また、厚生労働省から承認されているプラセンタの効果には、肝機能障害の改善や不眠、冷え、肩こり、疲労感、不定愁訴といった更年期世代のお悩みの改善があります。プラセンタの活用法
プラセンタの活用法について見てみましょう。医療
プラセンタ注射は、肝機能障害、更年期障害、乳汁分泌不全の治療薬として厚生労働省に認可されています。 それら3つの疾患と診断された場合には、保険適用での施術が可能です。 プラセンタ注射を受けられるのは医療機関のみで、認可されていない他の症状の改善が目的の場合には、自費診療となります。 注射はヒト由来のプラセンタですが、内服薬には動物由来のプラセンタを利用しているものもあります。美容医療
自費診療になりますが、美容目的にプラセンタ注射を受けることもできます。 ただし、プラセンタはシミやシワなど、お悩みがある部位にピンポイントに作用するわけではありません。 総合的なインナーケアによって、症状の改善を目指すものとなります。化粧品やサプリメント
プラセンタが含まれた化粧水やクリームなど、外からプラセンタを取り入れる製品もあります。 他に、錠剤やドリンクなどのサプリメントもたくさんの種類が市販されています。 医薬品は、厳しい審査基準をクリアしていますので、配合成分や安全性、期待できる効果も高いといえます。 一方、サプリメントは自費診療よりも費用が抑えられ、手軽にプラセンタを取り入れられるのがメリットです。 市販のものを選ぶ際には、できるだけプラセンタが多く含まれているものを選ぶとよいでしょう。プラセンタの安全性とデメリット
ここでは、プラセンタの安全性やデメリットについても、解説していきます。安全性
プラセンタは自然由来の成分ですので、比較的安全性は高いとされています。 動物性のプラセンタを利用する場合、動物性たんぱく質にアレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応が出る可能性もありますので注意してください。 また国内で市販されている羊プラセンタは輸入品になります。 購入する際は、原産国に注目してください。 狂牛病などが発生していないオーストラリア産やニュージーランド産の製品かどうか確認するとよいでしょう。デメリットや注意点
ヒト由来のプラセンタ注射をすると、それ以降は献血ができなくなります。 これは感染症リスクを考慮した予防的措置であり、これまで感染症の事例はありませんが、献血については事前に検討しておいた方がよいでしょう。尚、輸血を受けることは可能です。
また、献血の制限の対象となっているのは注射です。
内服薬やサプリメントは含まれていません。
ほかにデメリットとなるのが、プラセンタ注射を利用した治療を受ける場合、週に1回~2回程度の通院頻度が長期に渡って必要になることです。
内服薬であれば、通院頻度を下げることができますが、注射も内服薬も自費診療でプラセンタ療法を利用する場合、費用が高額になるのが共通する難点です。