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プラセンタの飲み薬とは?飲み続けるとどうなる?安全性や注意点についても解説

プラセンタの飲み薬とは?飲み続けるとどうなる?安全性や注意点についても解説

プラセンタというと、注射のイメージをお持ちの方が多いかもしれません。 プラセンタには内服薬もあり、注射とは異なったメリットがあります。 本記事では、プラセンタ注射と内服薬の違いについてご紹介します。 また、長く飲み続けても問題ないのか、飲むのをやめたらどうなるか等の疑問についても、併せて解説していきます。 プラセンタに興味はあっても注射に苦手意識がある方、施術のための通院がご負担な方は、ぜひ、参考にしてみてください。

プラセンタについて

プラセンタについて、栄養成分や利用範囲などの基本的な情報をご紹介します。

プラセンタとは

プラセンタは胎盤を意味し、ヒトや哺乳動物の胎盤から抽出したエキスが医薬品や化粧品などに利用されています。 胎盤は、へその緒を通じて赤ちゃんの成長を助ける器官ですから、栄養素が豊富に含まれています。 その高い栄養素に着目し、プラセンタは古くから健康維持や美容目的に使われてきました。 古くは紀元前にさかのぼり、古代ギリシャの医学の父、ヒポクラテスが病気の治療に利用したことや、古代エジプトのクレオパトラが美容目的で利用していたことが伝えられています。

栄養成分や効果

栄養成分や効果 プラセンタには、アミノ酸、各種ビタミン、各種ミネラル、核酸、活性ペプチド、酵素などが含まれています。 なかでも一番多く含まれているアミノ酸は、筋肉や血液、皮膚など体を作る作用と、免疫やホルモンバランスなど体を守り、調整する作用をもつ大事な栄養素です。 それらの栄養素による、血行促進、新陳代謝向上、抗酸化作用、肝機能改善、内分泌調整作用、免疫力調整、抗アレルギーなどの作用を活用し、医療や美容の現場で使われてきました。

特に、プラセンタに含まれている成長因子という成分が、肌にエイジング効果をもたらすとして注目されています。 成長因子は、肌の再生や修復、細胞の成長や形成を促進する成分です。 成長因子が、メラニンの過剰生成を防いで肌のターンオーバーを促し、さらには保湿力や抗酸化作用で肌のハリを保つので、シミやシワを防ぐといわれています。

プラセンタの利用範囲

プラセンタの利用範囲は幅広く、プラセンタ注射は、肝機能障害、更年期障害、乳汁分泌不全の治療薬として厚生労働省から認可されています。 それらの疾患の治療に必要と判断された場合には、保険適用でプラセンタ注射による治療が可能です。 他にも、さまざまな症状に活用されています。 認可されている3つの疾患以外の目的で、プラセンタを用いた治療を受ける場合は、自費診療になりますが、疲労、肩こり、不眠、自律神経失調症、アトピー性皮膚炎、シミやシワ、白髪など、多岐に渡る症状に活用されています。

飲むプラセンタ(内服薬)の特徴

プラセンタには、飲むプラセンタ(内服薬)もあります。 以下でご紹介していきます。

内服薬について

プラセンタの内服薬には、錠剤やカプセルなど水で飲むタイプがあります。 なかには、1回に、注射1本あたりに相当する量を服用することが可能なものもあります。内服薬も注射と同じく、効果を得るには継続することが大切です。 服用する時間帯に決まりはありませんが、日々、同じタイミングや時間に飲むようにすると、飲み忘れ防止にもなるでしょう。 内服薬と注射を併用するケースもあります。

注射との違い

日本で認可されている注射は2種類で、いずれもヒト由来の成分です。 内服薬の場合は、ヒト由来のほか、豚や馬などの動物由来のものもあります。 注射は有効成分の吸収効率が高いのが特徴ですが、それに比べて内服薬は、ゆるやかに効果が現れるというのが特徴です。 また、内服薬は毎日飲むことが出来るので、体内にプラセンタが作用している状態を保つことができます。

内服薬のメリット

内服薬のメリット 内服薬が注射と大きく異なる点は、服用後も献血が可能だという点です。 ヒト由来のプラセンタ注射を受けると、感染症リスクを避けるため、それ以降は献血ができなくなりますが、内服薬はその制限を受けません。 また、内服薬の利用では、注射のように通院頻度が高くありません。 注射の場合は、最初の1~2か月は週に1回~2回の通院が必要になりますが、内服薬の場合にはそれが不要になるのも大きなメリットです。

長期旅行や出張にも影響を受けずに済みますし、それが継続のしやすさにもつながります。 有効成分の吸収効率がよい注射の方が、効果の現れ方が早いとされていますが、内服薬も継続的な服用で効果が期待できます。 通院頻度が負担になっている方や注射そのものが苦手な方は、内服薬を検討してみるのもよいかもしれません。

飲むプラセンタの安全性と注意点

飲むプラセンタの安全性には問題ないのでしょうか。 注意点と併せて解説していきます。

プラセンタ内服薬は飲み続けても安全?やめたらどうなる?

前述しました通り、プラセンタで効果を得るには摂り続けることが大事なポイントですが、反対に飲み続けることに不安を感じる方もいらっしゃることでしょう。 プラセンタは、体に蓄積されることはありませんので、プラセンタを飲み続けても問題はないとされています。 医師と相談しながら続けるとよいでしょう。 また、飲むのをやめることで、トラブルが起こることもないでしょう。 飲むのをやめると、プラセンタの効果がなくなり元の状態に戻ります。 ただし、プラセンタで得ていた健康や美容効果も失われますので、不調や美容のお悩みも戻ってしまうことがあるかもしれません。

飲み合わせなどの注意点

プラセンタは、飲み合わせに注意することはないと言われることもありますが、服用中の薬がある方は念のため、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。 特に、ピルを服用している方は、プラセンタの作用でホルモンバランスに影響を受けると、ピルの効果が減少する可能性も考えられますので、注意が必要です。

ビタミン剤などの他のサプリとの併用で、栄養の過剰摂取にならないようにも気をつけましょう。 また、動物性たんぱく質にアレルギーがある方は、動物由来のプラセンタを服用すると、アレルギー反応が出ることもありますので、注意してください。 服用後に何らかの異常を感じたら、服用を中止して医師に相談しましょう。

市販のプラセンタによるセルフケア

ここまで、内服薬を中心にプラセンタの効果や飲み方についてご紹介してきました。 プラセンタは肌や体に良い効果が期待できる一方で、自費診療となると高額な費用がかかります。 また注射に関しては、高い通院頻度が負担になってくることもあるでしょう。 そこで、市販のプラセンタによるセルフケアについても、ご紹介していきます。

医療機関のプラセンタと市販のプラセンタの違いは?

医療機関のプラセンタと市販のプラセンタの違いは? プラセンタには、ヒト由来のものと動物由来のものがあり、ヒト由来のものが1番効果が出やすいといわれています。 ですが、ヒト由来のプラセンタは医療機関の扱いのみで、自費診療は高額なのが難点です。 動物由来のプラセンタの中でも手軽に利用しやすいのは、豚プラセンタです。 豚は年に2回出産をするので、他の動物よりも安定的にプラセンタを入手できるため、多くの商品に使用され、比較的リーズナブルです。

加えて、豚は人間に近い生き物と言われているように、臓器や生理的機能が似ているため、栄養分をスムーズに取り入れられるという点もあります。 馬のプラセンタは、豚のプラセンタよりも、アミノ酸が豊富に含まれているという利点がありますが、豚のプラセンタに比べると希少価値が高いため、高価になりやすい傾向があります。

市販のプラセンタの選び方

ご自身で市販のプラセンタを選ぶ際には、品質や安全性に気を配りましょう。 形状については、錠剤やカプセル、液状のドリンクなどがあります。 市販のプラセンタには医薬品とサプリがあります。 第2類医薬品として市販されているプラセンタ薬は、疲れたときの回復を助け、病中や病後の栄養を補うなどの効果があります。

プラセンタの含有量

選ぶ基準として、まず、プラセンタの含有量をしっかりと確認しましょう。 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会によれば、プラセンタの摂取量は、プラセンタエキス純末として1日100mg以上が目安とされています。 また、プラセンタの含有量は、「エキス量」で表示されることや「純末量」で表示されることがあります。 純末は、プラセンタエキスから、水分と不純物を取り除いたものです。 エキス量と純末量では同じ基準で含有量を比較したことになりませんので、表示されている数字の大きさだけで選ばないように注意してください。

製品の安全性についての確認

牛と羊のプラセンタは、狂牛病などのリスクから日本国内では製造されていません。 牛プラセンタは販売もされていませんが、羊プラセンタは輸入品が販売されていることがあります。 羊プラセンタを利用する場合には、狂牛病などが発生していないオーストラリアかニュージーランド産の製品を選ぶとよいでしょう。

海洋性プラセンタ(マリンプラセンタ)と植物性プラセンタ

実はプラセンタには、海洋性プラセンタと植物性プラセンタというものもあります。 正確にいえば、魚と植物には胎盤はありませんが、胎盤に相当する部位から抽出したものをそのように呼んでいるのです。 海洋性プラセンタは、魚の卵巣膜から作られ、植物性プラセンタは、植物の胎座から作られています。

どちらにも、アミノ酸などの栄養成分は含まれますが、成長因子が含まれていないのが、動物性プラセンタと異なる点です。 また、動物性プラセンタと比べて感染症リスクが低いとされていますが、動物性プラセンタの方が、含まれている栄養成分が豊富です。 市販の製品を選ぶ際は、プラセンタの含有量や品質をよく確かめましょう。 また、形状や味などの飲みやすさも大切な判断基準になります。 繰り返しになりますが、プラセンタは摂取を続けることで効果が出ますので、長期間にわたる服用に負担がないものを選ぶことをおすすめします。

まとめ

今回は、プラセンタの栄養成分や利用範囲について、飲み薬と注射との違いも含めながらご紹介しました。 プラセンタを活用するには、注射以外にも、内服薬やサプリなどの選択肢があります。 ご自身が望む効果やライフスタイルに沿った選択をすると、プラセンタの活用を継続しやすくなります。 また、市販の製品を取り入れる際には、成分や安全性をよく確認するようにしましょう。
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