COLUMN
コラム
前回は、良好な腸内環境やその整え方などについてご紹介しました。今回は、腸内環境が整うことで、実際にどのような良いことが起こるのか、また、美容にも影響するのかなどを食事術を合わせてお話ししたいと思います。
◎腸内環境が整うと
腸内環境が整うと、私たちの体では次のような効果が期待できます。
免疫力が高まる …… | 免疫細胞の約70%が腸で作られているため、腸内環境が良好であれば、自然と免疫力が高まり病気を防ぐことができる。 |
病原体や有害物質を排出する …… | 体外から病原菌などが侵入した際、下痢などの防御反応により排出してくれる。 |
ビタミンを合成する …… | 健康に欠かせないビタミンの一部(ビタミンB郡、ビタミンK など)は、腸内細菌によって作られる。 |
幸せホルモンを生成する …… | 腸内細菌は、幸福感・やる気などポジティブな感情を起こすセロトニンやドーパミンの体内合成に深く関わっている。 |
◎美容は美腸から
腸内環境が整うと食物の消化・吸収が効率良く行われ、老廃物の排出もスムーズになります。その結果、体の中から美しくなることがそのまま外見への美しさにも反映されます。
▪️太りやすい体質改善
腸内環境が整うと、食物からの栄養素の消化・吸収が適切に行われ、老廃物なども排出されるようになり、代謝機能が増進します。その結果、これまでの太りやすい体質から老廃物や脂肪を溜め込みにくい体質へと、徐々に変化して生きます。
(肥満防止の食事ポイント)
食物繊維 …… | 食物繊維はコレステロールや脂肪の排出を促す効果があるほか、水溶性食物繊維(キャベツ、大根、芋類、海藻類、果物、キノコなど)は腸内環境を整え、糖質の吸収を緩やか(急激な血統との上昇防止)にしてくれます。 |
よく噛んで食べる …… | よく噛んで食べることはゆっくり食べることにもつながります。私たちは通常、食事を始めて15~20分で脳の満腹中枢が「お腹がいっぱい」というサインを受け取ります。早食いをするとこの満腹感を感じる前に沢山の量を食べてしまい食べ過ぎになりますが、よく噛んでゆっくり食べることで少量の食事でも満腹のサインが伝わりやすくなります。 |
▪️美肌
体内の老廃物からできる毒素は大腸から血液中に吸収され、最終的に皮膚から排出されるため、皮膚はダメージを受け吹き出物などの肌荒れとして表れます。しかし、腸内環境が整うと、便などからの老廃物の排出がスムーズになり毒素の発生も抑えられ、結果肌荒れのリスクも低減されます。
(美肌の食事ポイント)
ビタミン …… | ビタミンの中でも特に、ビタミンA、C、E には老化の元となる体の酸化を防ぐ、「抗酸化作用」があります。特に、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、しみやそばかすを防ぐ効果があります。 |
鉄 …… | 鉄分が不足すると、細胞に酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンが生成されなくなり、肌の代謝に必要な酸素も不足します。その結果、肌の血流が悪くなり細胞のキメが乱れ、乾燥しやすくなるほか、肌の血色も悪くなり、くすみなどが目立ちます。 |
亜鉛 …… | 亜鉛は皮膚や粘膜の健康維持する働きがあるほか、新陳代謝に関わる様々な酵素の成分にもなります。肌の細胞の新陳代謝を上げるうえでも重要な栄養素ですが、摂り過ぎると中毒性などを起こすためサプリメントなど服用は注意が必要です。 |
▪️便秘改善
腸内環境を整えるために食物繊維を摂る事は便秘の改善にもつながります。仮に、便秘の状態が続くと、腸内に腐敗物質が増え悪玉菌が増加し、さらに便秘が酷くなるばかりか、腸の老化が進み大腸ガンなどのリスクも高くなります。
(便秘改善の食事ポイント)
食物繊維 …… | 食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。不溶性食物繊維(ごぼう、大豆、穀類 など)は胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激して蠕動運動を活発にすることで、便通を促進します。一方、水溶性食物繊維(こんぶ、わかめ、こんにゃく、大麦 など)は、大腸内で発酵・分解され善玉菌の栄養源となり腸内環境が整う事で整腸効果を発揮します。 |
水分 …… | 水分が不足すると便が硬くなり、かさも少なくなるため腸内でスムーズに移動することが難しくなります。また、便を柔らかくする際にも水分は欠かせないので、1日1500ml以上の水分摂取や、腸を刺激するために朝起きてすぐの水分摂取(コップ1杯程度)を意識してください。 |