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プラセンタはエイジングケアに効果的!プラセンタの取り入れ方も解説

プラセンタはエイジングケアに効果的!プラセンタの取り入れ方も解説

プラセンタは、エイジングケア※を考える方に注目されていることをご存じでしょうか。
プラセンタは高い美容効果が期待できることが知られていますが、実は更年期障害などにも効果があります。
プラセンタを日常に取り入れることで、肌だけではなく、身体面でも健康で健やかな日々を送れるでしょう。
この記事では、エイジングケアに効果的なプラセンタの取り入れ方について解説をしていきます。
※エイジングケアとは、年齢を重ねた肌に潤いなどを与えること(以下同義)

プラセンタは栄養成分が豊富

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エイジングケアに効果を発揮するプラセンタには、豊富な栄養素が含まれているのです。
ここではプラセンタの栄養素について解説します。

プラセンタの栄養成分とは?

プラセンタとは胎盤のことであり、ヒト由来のものや豚由来のもの、馬由来のものなどがあります。
プラセンタには、胎内の赤ちゃんの成長に必要な栄養成分が多く含まれており、それらの栄養成分は、病気の治療や美容に対してさまざまな効果があるといわれているのです。
プラセンタに含まれる栄養素の高さは医療の分野でも注目を集め、現在のところ、ヒト由来のプラセンタは更年期障害や産後の乳汁分泌不全、肝機能障害の治療薬として厚生労働省から認可されています。

プラセンタに含まれる栄養素

プラセンタに含まれる栄養素は、アミノ酸やミネラル、酵素、ペプチドなどです。
美容効果のある成分の一部をご紹介します。

■アミノ酸
アミノ酸はターンオーバーを促してくれる、美肌には欠かせない成分です。
また、たんぱく質を合成するためにも必要な成分となります。
人や動物が体内で作ることができるアミノ酸を「非必須アミノ酸」といい、体内で作れないアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。
プラセンタには必須アミノ酸を含めた、20種類のアミノ酸が含まれています。

ビタミン群
ビタミンは体調を整えたり代謝をスムーズにしたりと、身体には必要な栄養素です。
プラセンタには、ビタミンB1やB2、ビタミンC、ビタミンD、ナイアシンなどが含まれています。

ミネラル
プラセンタに含まれる代表的なミネラルとしては、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、カリウムなどがあります。
ミネラルは私たちの細胞などを新しく作り出す材料であり、さらに体の機能を調整する働きもあります。そのため、ミネラルが不足すると、身体の不調が起こってしまうケースも少なくありません。
また、過剰に摂取をすると、中毒や身体の不調を起こすため、バランス良く摂取することが必要です。

プラセンタの歴史は長い

プラセンタの歴史は長く、漢方の世界では「紫河車(シカシャ)」と呼ばれ、古くは中国の皇帝たちや楊貴妃に重宝されていました。
また、酷い副作用がないことから、虚弱体質や不妊症に悩む女性、お年寄りからも体質の改善のために愛用されていたのです。
プラセンタが医療として用いられるようになったのは、1930年代の旧ソ連が始まりといわれています。
フィラトフ博士が当時としては珍しい、病気の患部の中に別の組織を埋め込む「組織療法」にプラセンタを使用しました。
その後、各国でプラセンタに関して多くの研究論文が発表され、法律の制定が始まります。
プラセンタの研究はさらに進み、現代では厚生労働省の認可を受けたヒト由来のプラセンタが、医療機関で取り扱われています。
また、美容の分野でも高い注目を集めているのです。
医療機関でのプラセンタ療法は保険適応で行えるものがありますが、美容目的では自費診療となります。

プラセンタはエイジングケアに効果的

エイジングケアは年齢に応じたケアのことを指します。
プラセンタがエイジングケアに効果的だといわれているのはなぜでしょうか。
詳しく解説します。

プラセンタにはさまざまな成長因子が含まれている

プラセンタには成長因子や栄養素が含まれています。
成長因子とは、細胞の成長を促すたんぱく質のことで、コラーゲンなどの生成や肌トラブルの改善をしてくれます。
成長因子は老化予防にも繋がるといわれており、エイジングケアに効果的です。
プラセンタには以下の成長因子が含まれます。

● EGF(上皮細胞増殖因子):肌のターンオーバーの促進。
● FGF(線維芽細胞増殖因子):コラーゲンやヒアルロン酸の増殖。
● IGF(インスリン様成長因子):卵子や精子の形成や、心身代謝の調節など。
● NGF(神経細胞増殖因子):神経伝達物質の合成促進や、神経細胞の修復など。
● HGF(肝細胞増殖因子):肝細胞やさまざまな上皮細胞などの、増殖活性作用。

プラセンタが持つエイジングケアの効果

プラセンタがエイジングケアに効果的といわれる理由は4つあります。
それぞれについて解説します。

整肌効果
プラセンタには、乱れたターンオーバーの周期を整える働きや、抗炎症作用などがあります。
ターンオーバーの周期が整うことで、キメが整った美しい肌を維持することができ、抗炎症作用により肌荒れなどを予防することができます。

美白効果
プラセンタには美白有効成分が含まれています。
美白有効成分とは、厚生労働省で美白に効果があると認められている成分のことで、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ効果が期待できる成分です。
シミやそばかすができる原因は、メラニン色素が蓄積しすることです。
通常メラニン色素はターンオーバーで肌の表面から排出されていきますが、メラニン色素の生成量が増えターンオーバーでの排出が追いつかなくなったり、ターンオーバーの周期が乱れたりすると蓄積していきます。
プラセンタを取り入れることで肌のターンオーバーが整い、肌が持つ修復の力が活発になるため、肌のハリやシワの改善が期待できます。

更年期障害や疲労の改善
更年期障害は卵巣機能が低下したことにより、エストロゲンという女性ホルモンの分泌量が減ることで起こります。
エストロゲンが減少すると、心身にさまざまな不調を引き起こします。また、髪や肌質などの悪化に悩まされるケースも少なくありません。
また更年期障害では、ホットフラッシュやイライラなどの精神的な症状も起こります。
プラセンタには自律神経を調整する働きや、ホルモンバランスを調整する働きがあるため、更年期障害の症状全般の改善が期待できるでしょう。
プラセンタには疲労回復効果や血行促進効果もあるため、更年期障害で生じやすい肩こりやむくみ、倦怠感といった症状の改善も見込めます。

プラセンタが更年期障害に効果を発する理由はこちら

PMSや生理不順の改善
女性ホルモンの乱れにより起こる、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、月経不順といった女性特有の悩みにも、女性ホルモンのバランスを整えるプラセンタは効果があるといわれています。

エイジングケアを意識すべき年齢は?

20代前半の肌はハリと潤いに満ちており、シワやシミといった悩みより、ニキビや皮脂トラブルといった悩みを抱えている人が多いでしょう。
しかし、20代半ばに差し掛かると肌の水分量が徐々に減っていくため、肌のごわつきやシワ、シミといったトラブルへの悩みが増えていきます。
これらはエイジングのサインといわれており、このタイミングでファーストエイジングケアを開始すると良いでしょう。
30代になると、肌のハリや弾力の低下を感じる人が多いです。
また30代になると、ターンオーバーの周期も約40日周期になるといわれています。
メラニン色素が排出されず肌に蓄積するようになるため、集中的なエイジングケアを取り入れると良いでしょう。

医療分野でのプラセンタを用いたエイジングケア

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医療分野でのプラセンタ療法には保険が適応されるものと、自費診療のものがあります。
以下で詳しく解説します。

保険適応されるプラセンタ療法

更年期障害や乳汁分泌不全、肝機能障害の治療の場合保険適用になりますが、1か月に投与できる回数などに制限があります。
また、更年期障害の治療として、保険適用でプラセンタ注射を接種する場合、45歳~59歳までの年齢の定めがあります。

自費診療でのプラセンタ療法

エイジングケアなどの美容目的や、保険適応外年齢の人の更年期治療、女性ホルモンの乱れの改善などといった、厚生労働省が認可している病名以外の場合、保険は適用されないため、自費診療となります。

プラセンタによる治療内容

プラセンタ療法ではどのような治療を行うのでしょうか。
以下で詳しく解説します。

肌改善の治療
肌改善のためのプラセンタ治療では、プラセンタ注射の接種やサプリメントの処方などが行われます。
プラセンタには保湿や細胞の増殖・再生、コラーゲンの生成などの働きがあるため、エイジングケアや美肌効果が期待できるでしょう。

更年期などの症状緩和
更年期障害の症状や乳汁分泌不全には、メルスモンというプラセンタ注射を接種します。
メルスモン注射は対象者に限って保険が適用されますが、ラエンネックというプラセンタ注射を接種する場合、年齢や治療目的に関わらず保険適用外です。
自費診療の場合、接種するプラセンタ注射の種類を選択することができるため、医師に相談すると良いでしょう。 また、既往歴がある人や服薬中の人は医師にご申告ください。
メルスモンとラエンネックは、どちらも厚生労働省に認可されているプラセンタです。
製造工程は異なりますが、得られる効果は同じといわれています。

治療前には診察が必要

プラセンタ療法を初めて行う際には、診察が必要となります。
また、未成年者がプラセンタ療法を行う場合、保護者の同意書が必要といわれることがあるでしょう。

プラセンタ注射のデメリット

1度でもプラセンタ注射の接種をすると、献血を行うことができなくなります。
これは、2006年に薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会で定められた措置ですが、輸血を受けることは可能です。
また、献血と同じ理由で、プラセンタ注射を接種すると、骨髄の提供ができなくなります。
骨髄バンクに登録されている人がプラセンタ注射を接種した場合、登録の取り消しが必要です。
これらはプラセンタ注射を接種した人に限った話のため、サプリメントや漢方、美容ドリンクでプラセンタを取り入れている人は、問題なく行うことができます。

プラセンタでのセルフエイジングケアケア

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プラセンタでのエイジングケアは、病院での治療以外にセルフで行う方法もあります。
セルフで行う方法について解説していきます。

プラセンタを経口摂取する

ドラッグストアやコンビニなどで、プラセンタが配合されたサプリメントや、美容ドリンクを購入することができます。
ドリンクタイプや錠剤タイプ、顆粒タイプとバリエーション豊富に展開されているため、取り入れやすいものを選択することが可能です。

プラセンタ配合の化粧品を使用する

プラセンタが配合された化粧品は、化粧水や美容液、クリームなどがあります。
プラセンタが配合された化粧品を購入するときは、プラセンタ以外の配合成分にも注目すると、よりエイジングケアに適した製品を選ぶことができるでしょう。
セラミドやヒアルロン酸は保湿力が高いため、保湿効果を求めている人におすすめです。
美白効果を求めている人は、ビタミンC誘導体やトラネキネム酸などが配合されているものが良いでしょう。
敏感肌の人は精油の配合に注意が必要です。
精油が配合されている製品を使うときは、顔に使う前にパッチテストを行うと良いでしょう。

プラセンタの副作用は?

プラセンタはほぼ副作用がないといわれています。
ただしそのときの体調や、その人の体質によっては、アレルギー症状が出ることがあります。
また、プラセンタ注射を接種後に注入部に発赤や腫れ、痛みなどが現れる場合がありますが、これは高濃度のプラセンタを注入したことによる反応のため、一時的な症状です。
不安な人は、念のため医療機関に相談することをおすすめします。

プラセンタ配合製品の選び方

プラセンタ配合製品を選ぶ場合は、プラセンタの含有量やその他の配合成分に注目しましょう。
プラセンタの含有量が多いほどプラセンタの濃度は高く、効果に期待ができます。
また、プラセンタ以外の配合成分を肌悩みにあわせて選択することで、更にエイジングケアの効果が上がるでしょう。
ビタミンA(レチノール)やナイアシンアミド、コラーゲンなどは、エイジングケアに有効な成分だといわれているため、おすすめです。

プラセンタでのエイジングケアはこちら

まとめ

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今回はプラセンタのエイジングケア効果について解説しました。
プラセンタは経口摂取できるものや化粧品、病院での治療などさまざまな方法で取り入れることができます。
ご自身にあったプラセンタの取り入れ方を選択いただき、若々しく精力的な日々を送りましょう。

監修者

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成田亜希子

2011年医師免許取得。総合診療医として研鑽を積み、現在は美容系クリニックで統括医師と勤める。
日々、美容に悩む患者さんの診療に従事しており、シミやシワ、薄毛を予防することの重要性を説いている。
また、医療行政に携わっていた経験もあり地域住民の健康課題を抽出し、健康寿命増進政策に深く関わっていた。
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