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更年期の食事〜自律神経を整える(1)〜

更年期の食事〜自律神経を整える(1)〜

更年期障害の原因の一つとされているのが、「自律神経の乱れ」です。
自律神経とは、自分の意思でコントロールできない、体温や血流、臓器の働きを司る神経のことです。この自律神経をコントロールする中枢は、女性ホルモンの調整をする中枢と同じ脳(大脳の視床下部)にあります。

更年期障害の大きな原因は、加齢に伴う卵巣機能の低下により、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が低下することです。卵巣機能が低下しエストロゲンが減少すると、脳(大脳の視床下部)からの「女性ホルモンをもっと出せ!」という指令に体は答えることができず、同じ脳(大脳の視床下部)によってコントロールされている自律神経も乱れてしまいます。その結果、血流や、心拍、発汗などの調整をしている自律神経系の症状として、のぼせやほてり、発汗などの症状がでやすくなると考えらえます。

また、このような時期は自律神経が疲れやすい状態にもあります。そのため、この時期に自律神経が疲れやすい食習慣や生活習慣、ストレスなどが加わると、更年期障害の症状がさらに深刻になってくるかもしれません。このことからも、この時期は自律神経を整えることを意識して日常生活を送ることが非常に重要になってきます。

【自律神経を整えるポイント】

自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられ、起きて活動している時には交感神経が優位になり、リラックス時や寝ている時には副交感神経が優位になります。早寝、早起き、3食きっちり食べるといった当たり前のことが、自律神経を整える上では非常に重要になってきます。

・朝食をとる

→ 朝食をとることで日中の活動に向けての体温が上がりやすくなります。つまり、朝食を抜くと体が活動モードに入らないばかりか、さらに夜型の体質に傾いていきます。

・バランスの良い食事を心がける

→ 更年期に入るとホルモンバランスの乱れなどから代謝が落ち、太りやすくなったと感じる方もおられます。だからと言って、偏った食事や極端なダイエットはかえって症状の悪化やその後の健康寿命を縮ませかねません。この時期こそ、バランスのとれた食事を心がけるべきです。
野菜や海藻 …… 日本人に不足しがちな亜鉛やカルシウム、マグネシウム、ビタミンB群などのビタミン・ミネラルもこれらの食材から十分摂取して下さい。
糖質 …… 過度な糖質制限は、かえって代謝を落とし冷えや、うつなど更年期の症状も悪化させてしまう可能性もあるため、適度に摂取してください。
タンパク質 …… 筋肉や血液だけでなく、髪や爪、神経伝達物質の材料となるタンパク質は、不足すると代謝が落ち見た目にも老化が進み、脳や心のバランスも崩れてしまいます。
脂質 …… 3系脂肪酸(DHA、EPA、亜麻仁油)やω9系脂肪酸(オリーブオイル、なたね油)、中鎖脂肪酸(ココナッツオイル)などの良質な油脂は、代謝にも脳にも良い影響を与えてくれます。


・腸内環境を整える

→ 腸は第二の脳と呼ばれるほど、多くの神経が張り巡らされており、体の様々なセンサーがあります。腸内環境を整えることで、それらの働きを正常化すると共に、食べたものをしっかりと消化・吸収し自分の体のものにすることができます。逆に腸内環境悪いと、いくら良いものを食べても自分のものにはできません。

・運動をする(無理なく続けられる軽〜中等度負荷のもの)

→ ウォーキングや、体操、ストレッチといった毎日取り入れやすい、軽い運動をすることで、筋肉がほぐれ、血流が良くなり、自律神経が整いやすくなります。

・お風呂に入る(39〜41度のお湯で15分ほど入浴するのがおすすめ)

→ 入浴は緊張・興奮状態にある脳や体を、一瞬にしてリラックスさせてくれます。副交感神経の働きが優位になることで、睡眠の質もアップします。


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