将来、望ましい時期や環境での妊娠を希望する女性にとって、妊娠する前の備えの時期も大切になってきます。
というのも、妊娠は一世一代の大仕事です。約10ヶ月もの間、お腹の中で赤ちゃんを育て出産するということは、まさに自分の身を削りながら育てて産むということです。
そこで、妊娠期間中はもちろん、その前の段階から必要なエネエルギーや栄養素が不足しない状態=食習慣を作っていくことが重要です。
特に、妊娠期間中に重要になってくるのが、カルシウム、鉄、葉酸、マグネシウムなどです。
しかし、カルシウムにおいては日本人の摂取量は目標とされる量には及ばず、長年不足した状態が続いています。
特に20代の女性で極めて摂取量が不足しており、多くの方が妊娠を控える大切な時期にカルシウムが足りていないという状況にあります。
・カルシウム貯金足りていますか?
骨量は12歳ごろから急激に増え、20歳前後で最大値となり、その後は増えることはなく徐々に減少していきます。
つまり、20歳以降はそれまでに作った骨貯金を食いつぶしながら生きていくことになります。
20歳以降で妊娠期を迎える多くの女性は、妊娠・出産によってカルシウムの必要量が増える時期に食事から十分なカルシウムを取れない場合、
自らの骨量を減らしながら(骨からカルシウムを放出させることで)補わなくてはなりません。
そのため、妊娠前の若い時期に多くの骨量を蓄えると共に、妊娠期に十分なカルシウムを摂取することが、将来の骨量を維持する上で重要になってきます。
・妊娠前のカルシウムの重要性
妊娠、出産には実に多くのカルシウムが必要なのをご存知ですか?
妊娠・出産時には欠かせない栄養素のため、妊娠すると体内でのカルシウムの吸収率は通常の1.5〜2倍ほどに増えます。
つまり、普段の食事をしていてもより多くのカルシウムが食事から吸収され胎児に渡ることになります。
それだけ母体にとっても、お腹の赤ちゃんにとってもカルシウムは重要な栄養素なのです。
そのため、この妊娠前の時期から十分なカルシウムをとっておく必要があるのですが、冒頭でも述べたように、日本人のカルシウム摂取量は目標とされている量には及ばず不足状態が続いています。
そのような状況の中、妊娠しカルシウムの必要量が増えたからといっていきなり、食事からの摂取量を増やすことはできるでしょうか?
それは、1食1食の積み重ねによることでしか変える事ができないため、すぐに変えることは難しいです。
そこで重要になってくるのが、妊娠前の期間の食事(食習慣)です。
この時期から、多くのカルシウムを効率良く摂取する習慣(意識)をつける事ができるかで、その後の妊娠、出産、赤ちゃんの状態までもが変わってくる可能性があります。
まずは、牛乳以外でもどのような食品に多く含まれているかを知り、自分の好みや生活にあった食材やレシピを探していくことから始めましょう。