COLUMN
コラム
脂質は太る、余分なものといったネガティブなイメージを持たれやすいですが、糖質・タンパク質と並んで3大栄養素の一つであり、私たちの体にとってはなくてはならない栄養素です。それに加え、脂質は美容においても重要な役割を果たします。しかしながら、昨今の日本人の食生活の中では過剰摂取になりやすい栄養素で、生活習慣病や、肥満のリスクとなっているのも事実です。そこで今回は、脂質と上手に付き合っていくために、脂質の働きや種類、美容との関係についてご紹介します。
◎脂質の働き
・エネルギーの貯蓄や体温維持
脂肪は、他の栄養素(糖質・タンパク質など)に比べて、倍以上のエネルギーを含む栄養素であるため、人間の体はいざという時に備えて脂肪を体内に蓄えています。
・細胞膜や脳神経細胞を作る材料
脂質は体内において、多くは細胞を形作る細胞膜に含まれています。神経細胞などを構成する細胞の膜も脂質によって出来ており、それらの細胞は古くなったものが毎日少しずつ新しいものへと作り変えられる代謝を繰り返しています。
・血液成分やホルモンの材料
赤血球や白血球の膜も脂質で構成されており、血漿成分にも脂質が含まれています。
また、脂肪細胞から様々なホルモンが分泌されており、脂質はホルモンを作る上で欠かせない栄養素です。
また、脂肪細胞から様々なホルモンが分泌されており、脂質はホルモンを作る上で欠かせない栄養素です。
・脂溶性ビタミンの吸収を促す
水に溶けにくく、油に溶けやすい性質を持っているビタミンA、D、E、Kといったビタミンは、脂肪(油)を含む食物と一緒に摂取することで体内で吸収されやすくなります。また、これらの脂溶性ビタミンは体内に入ると主に脂肪組織や肝臓に蓄えられます。
・肌の潤いを保ち乾燥や刺激から守る
肌の表面を覆う表皮には、細胞と細胞の間に水分と脂質があり潤いを保っています。しかしこの細胞間の脂質が不足すると、水分は失われ肌は乾燥し刺激に対するバリア機能を果たせなくなってしまいます。
◎脂質の種類
このように健康や美容に関して重要な働きをする脂質ですが、摂取する種類と量によって体に現れる影響は異なってきます。脂質は様々な形で、私たちの体内や食物中に存在しており、それらの様々な脂質を構成している重要な要素が脂肪酸です。脂肪酸は化学構造の違いによって多くの種類があり、それぞれの性質も異なっていますが、大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。
特に、ω3(n-3)系脂肪酸は、血液をサラサラにし、血管の柔軟性を高める働きもあるため、毛細血管や全身の血行促進作用が高まります。それにより、酸素や栄養素が十分に運ばれ、細胞の新陳代謝が活発になるため、肌においてもターンオーバー(古い細胞から新しい細胞への入れ替わり)が整い、ニキビ、くすみ、乾燥、小じわなどの様々な肌トラブルのリスクも軽減できます。
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特徴 | 種類・多く含む食物 | |
飽和脂肪酸 | 常温で固形の脂で動物性脂質に多い。 エネルギー源になりやすく、体内に蓄えられる脂肪として利用される。 |
バター、牛・豚・鶏肉の脂(ラード) など |
不飽和脂肪酸 | 常温で液体の脂で、植物油や青魚の油脂。 植物性脂質に多く、細胞膜や生理活性物質の材料となる |
なたね油、オリーブオイル、ごま油、エゴマ油、イワシやサバなどの青背魚 など |
◎注目したい不飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は身体にとって重要な栄養素でありますが、摂りすぎると血中コレステロール濃度などが上がり、動脈硬化や脂質異常症などの病気を引き起こす原因にもなります。一方で不飽和脂肪酸は、血中の悪玉コレステロール濃度や中性脂肪を下げる作用があるものもあり、健康や美容の面からも近年注目されています。
飽和脂肪酸の中には次のような種類があるます。
飽和脂肪酸の中には次のような種類があるます。
ω9系脂肪酸(一価不飽和脂肪酸) …… | オリーブオイル、こめ油 |
ω6系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸) …… | サラダ油、紅花油、ごま油 |
ω3系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸) …… | 亜麻仁油、エゴマ油、青背魚(DHA・EPA) |
特に、ω3(n-3)系脂肪酸は、血液をサラサラにし、血管の柔軟性を高める働きもあるため、毛細血管や全身の血行促進作用が高まります。それにより、酸素や栄養素が十分に運ばれ、細胞の新陳代謝が活発になるため、肌においてもターンオーバー(古い細胞から新しい細胞への入れ替わり)が整い、ニキビ、くすみ、乾燥、小じわなどの様々な肌トラブルのリスクも軽減できます。
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