COLUMN
コラム
プラセンタとは
ここでは、プラセンタの概要やプラセンタ注射薬の種類について解説していきます。プラセンタは胎盤成分
プラセンタとは、「胎盤」のことです。 胎盤には栄養素や成長因子を含んでいることから体にさまざまな効果が期待されており、美容目的だけでなく、元気な日々を過ごすための健康維持や、症状の治療にも用いられています。 化粧品やサプリメントで用いられている動物のプラセンタには、豚や馬、羊などの哺乳類のものが多く、出産後に栄養が詰まった胎盤を食べることで、出産で低下した体力を早く回復させることができると言われています。 プラセンタに含まれる栄養には、約20種類のアミノ酸、ビタミン、ミネラルだけでなく、成長因子と呼ばれる細胞の増殖を促し、体の傷を癒すような働きを持っている成分が含まれており、私たちの生体内に入ることで、さまざまな健康と美容効果を発揮してくれることが期待できます。 プラセンタといえば、化粧品やサプリメントになっていることが多いですが、これはヒトではなく馬や豚由来のプラセンタであることが多いです。 実は、医療用の注射薬のプラセンタも存在しており、これはヒト由来の胎盤から抽出されたプラセンタになります。 これ以降はヒト由来のプラセンタ注射について詳しくご紹介していきますので参考にしてみてください。プラセンタ注射薬の種類
医療用のプラセンタには「メルスモン」と「ラエンネック」の2種類があります。 この2つのプラセンタは製法による違いはありますが、効果に関してはほとんど変わらないとされています。 1つ目は抽出する方法の違いです。 メルスモンは、加水分解法と呼ばれる方法を用い、プラセンタの細胞膜を強酸で分解してエキスを抽出します。 もう1つの医薬品のラエンネックは、分子分画法と呼ばれる方法を用いることで、必要な成分のみを特殊なフィルターを通して抽出します。2つ目は医薬品としての中身の違いです。 メルスモンは、pHが中性であり、痛み止めの成分であるベンジルアルコールが含まれています。 注射のときの痛みを軽減する工夫がされているため、痛みが苦手な方にオススメです。 もし注射の痛みに対して問題ない方であれば、含有量も多いラエンネックの方がオススメだと言えます。 医薬品の副作用として稀に、ラエンネックでは頭痛が、メルスモンでは眠気が強く起こる場合がありますので、そのような症状が起きた場合には医師に相談して種類を変更することも検討してみましょう。
プラセンタ注射の効果
プラセンタ注射、「メルスモン」と「ラエンネック」はどのような効果が期待できるのか説明します。 メルスモンは、発汗やむくみ、動悸といった更年期障害の緩和、乳汁分泌不全の治療薬として使用されています。一方、ラエンネックは、傷んだ肝臓の細胞を修復して回復させるなど慢性肝機能疾患の改善に効果が期待できます。プラセンタの期待される健康・美へのアプローチ
健康面で期待されるアプローチとしてプラセンタ注射を考えている方の場合には、疲労回復効果や二日酔い対策、風邪予防などがあります。 また、プラセンタといえば美容面が気になるところだと思います。 美容効果として期待されているのは、血行促進と肌の新陳代謝によって健やかな状態へ導いてくれることでしょう。 プラセンタに含まれる成長因子によって、細胞の再生を行う働きもあるため、エイジングサインのケアに期待されています。プラセンタの市販薬
第2類医薬品に該当するドラッグストアで購入できるプラセンタがあります。 例えば、森田薬品工業のビタエックスは、ブタプラセンタを使用した医薬品です。 滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病中病後などの栄養補給として活用できます。プラセンタ注射の注意点
ここまでプラセンタの良い効果をお伝えしてきましたが、プラセンタ注射をすることによって注意しなければならないことがいくつかあります。 ここでご紹介する内容を知ったうえでプラセンタ注射を検討してみてください。プラセンタ注射をしている方は献血できない
医薬品のプラセンタは、前で紹介したようにヒト由来の胎盤から抽出されたエキスになります。 そのため、特定生物由来製品と呼ばれる未知のウイルスなどの感染リスクがある医薬品として指定されています。 プラセンタ注射薬には、血液成分は含まれておらず、医薬品にする際に滅菌処理をして製造されていますが、一度でもプラセンタ注射を受けた場合には、今後献血することができません。 もし献血によく行く場合には、プラセンタ注射を受ける前によく検討しましょう。定期的に打つ必要がある
プラセンタ注射の効果持続期間は2.3日から数週間程度といわれています。 そのため、一度注射をしたからといって、効果がずっと持続するわけではありません。 効果を継続させたい場合には、定期的に接種していく必要があります。 注射の頻度については、医師と相談して決めていきましょう。 また、定期的にプラセンタ注射をしていても途中でやめることもできますので安心してください。効果に個人差がある
プラセンタの健康と美容の効果をお伝えしてきましたが、すべての方に効果があるとは限らないのが現状です。 通常の医薬品と同じで効果には個人差があるため、プラセンタ注射の効果を見ながら継続するのか、別の治療法を検討するのかを医師と相談してみましょう。プラセンタ注射の副作用と安全性
ここではプラセンタ注射で起こりやすい副作用や安全性について説明します。プラセンタ注射を行う際に、これらの情報も知ったうえで検討をしてみるようにしましょう。プラセンタの副作用
プラセンタ注射に使用される胎盤は、感染症などにかかっていない健康なヒトの胎盤を原料としています。 そのため大きな副作用についてはほとんどありません。 しかし、注射することによって生じる注射部位の疼痛、発赤、悪寒、発熱、発疹、腫れなどが起こる場合があります。 上記以外で何か注射後に体の異変があった場合には、すぐ医師に相談するようにしましょう。プラセンタの安全性
医薬品の種類のところにも一部記載はさせていただきましたが、プラセンタ注射の中には血液成分は入っていません。 また、注射薬の製造過程では、121℃で20〜30分の高圧蒸気滅菌によって、感染症に対する安全対策を行っています。 しかし、プラセンタは輸血や臓器移植と同じようにヒト由来の臓器から製造されているものとして扱われています。そのため、感染の可能性もゼロではないことから、血液感染拡大防止措置として献血が制限されています。 未知のウイルスなどの危険が完全にないとは言えませんが今のところはそのような報告はありません。