COLUMN
コラム
症状を少しでも改善、あるいは症状が極力出ないようにするためにおススメしたい食材、ベスト3をご紹介します!
更年期とホルモンバランス
一般に更年期は、「閉経(月経が1年以上ないこと)の前後5年間」と定義され、日本人の閉経が平均50歳前後と言われることから、40代半ば~50代半ばの10年間を更年期と呼んでいます。
この時期に、疲れやすさ、肩こり、発汗、腰や手足の冷え、イライラする、不眠、などの心身のさまざまな症状が引き起こされるのが「更年期障害」です。
厚生労働省のサイトによると、更年期障害は「40歳代以降の男女のホルモン分泌量の低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群」とされています。
とくに女性は閉経を迎える更年期(40代半ば~50代半ば)になると、女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減ることで、心身の不調を引き起こします。
そこで今回は、女性ホルモンのバランスを整え、更年期障害の症状改善が期待できる食材、ベスト3をご紹介します。
1.大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分として注目されている物質です。
大豆製品は食物繊維やオリゴ糖にカルシウムも豊富で、世界的にも注目されている健康食品です。
更年期障害をはじめ、糖尿病、脂質異常、骨粗鬆症など、大豆イソフラボンは多くの症状を改善する作用があると期待されています。
コレストロールを下げ、腸内環境を整えてくれるだけでなく骨にもいいので、更年期の女性には最適な食品です。
大豆イソフラボンは、豆腐や納豆、枝豆、おから、みそなどの食品に多く含まれています。
「畑の肉」とも言われ、豆類の中でもタンパク質が多く、その上必須アミノ酸も豊富で、低カロリーなのに栄養たっぷり、まさにスーパーフードです。
◆大豆イソフラボンの調理ポイント◆
・納豆はよく混ぜてからタレを入れ、温かいご飯の上にはのせない
・味噌は塩分が多いので、薄味を心がける
・牛乳使用の料理や飲み物を豆乳に変える
大豆製品を毎日の食事に上手に組み込み、ホルモンバランスの整った生活を目指しましょう。
2.ビタミンE
ビタミンEは活性酸素を取り除くはたらきのある脂溶性ビタミンです。
健康維持や疾病予防に欠かせない栄養素の一つで、エストロゲンを分泌する卵巣の働きを促し、ホルモンバランスを調整してくれるビタミンでもあります。
加齢による病気を予防する効果や、老化防止も期待できることから、「若返りのビタミン」ともいわれています。
ビタミンEは、落花生やアーモンド、ほうれん草やブロッコリー、かぼちゃ、アボカド、オリーブオイル、卵、うなぎ、ツナ缶などに多く含まれています。
◆ビタミンEの調理ポイント◆
・ビタミンAやビタミンCといっしょに摂るとより効果的
・脂溶性なので、油といっしょに摂る
ほうれん草などはビタミンEとともにビタミンCも含まれているので、とくにおススメです。
3.ビタミンD
ビタミンDは免疫機能を支える重要な栄養素で、脂溶性ビタミンに分類されます。
カルシウムの吸収を促し、カルシウムの血中濃度を高めたり、必要なカルシウムの排出を抑制したりするなど、骨には欠かせない役割があることで知られています。
女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、急激に骨密度が減っていくので、閉経後は骨粗鬆症が心配されます。
積極的にビタミンDとカルシウムを含む食品を摂取することをおススメしたいです。
最近ではビタミンDが筋力維持に役立つビタミンとしても注目され、高齢者のフレイル(虚弱)対策にもなり、寝たきりを防ぐためにも必要な栄養素とされています。
ビタミンDは、紅鮭やさんま、いわしなどの魚類、しいたけやまいたけなどのきのこ類、卵などに多く含まれています。
◆ビタミンDの調理ポイント◆
・カルシウムといっしょに摂るとより効果的
・比較的熱に強いので、油で調理すると吸収率UP
食事バランス(三食食品群)
今回は更年期障害の改善が期待できるベスト3食品をご紹介させていただきましたが、「○○さえ食べていればよい」というような魔法の食品はありません。
いかに日々バランスのよい食事ができているかがとても大事です。
前述3つの食品だけを摂るのではなく、いわゆる五大栄養素「炭水化物・脂質・タンパク質・無機質(ミネラル)・ビタミン」をまんべんなく適量に摂取することが理想です。
それを踏まえた上で、3つの食品「大豆イソフラボン・ビタミンE・ビタミンD」の食品を積極的にとるようにしてください。
そうはいっても「五大栄養素をまんべんなく」は、なかなかわかりにくいですよね。
もっと簡単にいうなら、「カラフルな料理」を心がけることです。
お弁当や夕食が茶色一色というようなことはありませんか?
食卓は常に三食食品群「赤・黄・緑」で整えるようにしましょう。
赤⇒肉や魚、卵などのタンパク質・ミネラル
黄⇒米やパン、油などの炭水化物・脂質
緑⇒野菜や果物、きのこ類などのビタミン
三食食品群の定義では上記のようになっていますが、あまり難しく考えず、見た目になんとなく彩りがなくさみしいなと思ったら、意識してカラフルになるように食材をプラスしてみましょう。
そのほうが美味しそうに見えますし、カラダも喜びますよ!
まとめ~更年期の食事に大切な3つのポイント
これまで更年期の食事について述べてまいりましたが、更年期障害の要因は複合的なので、食生活だけで100%改善、予防できるものではありません。
生活のリズムを整え、良質な睡眠に適度な運動、ストレスを溜めないなど、日常を健康的に過ごすよう、できることから少しずつ更年期障害に備えることが大切です。
また、食事をする際にはなるべく以下3つのポイントを意識するようにしてください。
・カラフルな食卓
・刺激物はなるべく避け、よく噛んで食べる
・家族や仲間と楽しくいただく
前述したとおり、毎食カラフルな食事をするよう心がけ、刺激物やアルコールはほどほどにしましょう。
辛いものはホットフラッシュ症状を悪化させたり、アルコールは代謝が落ちているので悪酔いしたり、太りやすくなってしまうといわれています。
そして大事なことは、家族や仲間と楽しく食卓を囲むことです。
毎食でなくても、時々は好きな人たちといっしょにワイワイ楽しい食事ができたらいいですね。
いい気分転換やストレス解消になるはずです。
たくさん話すのは構わないのですが、その際はしっかり噛むようにしてくださいね。
更年期障害は個人差もあるので、同じ食生活をしても、まったく症状を感じない人もいれば、日常生活に支障をきたすほど重く感じる人もいます。
長い人ではその症状が10年、20年と続いてしまうこともあるわけですから、不快な思いをずっと我慢する必要はありません。
つらいときは無理をせず、カラダとココロを休ませてあげてください。
また市販の医薬品やサプリメントを試して様子をみたり、酷い場合は婦人科に相談してみましょう。
早めに対策をして、いつまでも美しく、いきいきと健康に過ごしてくださいね。
この時期を楽しく乗り切ることが、更年期以降の人生にもいい影響となりますよ!