COLUMN
コラム
更年期の睡眠障害とその対策について詳しく解説いたします!
更年期に不眠が起こる理由
「春眠暁を覚えず」で、春は心地良く眠り込む季節と言うけれど、眠くなるのは昼ばかりで夜はよく眠れないということはありませんか?
睡眠は女性の美と健康に必要不可欠な大事な時間です。
しかし更年期になると、「なかなか寝られない」「夜中に何度も目が覚める」「早くに目が覚めて再眠できない」「熟睡感がなくスッキリしない」などという睡眠の問題「睡眠障害」を訴える女性が多くなります。
なぜ更年期に睡眠障害が起こるのでしょうか。
その原因は主に次のような理由から起こると考えられています。
◆ 女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の減少で眠りの質が低下
◆ 夜間にホットフラッシュや寝汗による睡眠の阻害
◆ 不安やうつなど精神症状による不眠
◆ 体重増加などによる睡眠時無呼吸症候群の影響
◆ 夜間の排尿や身体の疼痛などによる睡眠の阻害
それでは睡眠障害があると、どのような弊害があるのでしょうか。
不眠は美肌の大敵!?
「睡眠はいちばんの美容」と言われるように、不眠は美肌の大敵!
肌荒れや吹き出物など、肌トラブルと睡眠には深い関わりがあります。
それは睡眠中に分泌される成長ホルモンと睡眠ホルモン(メラトニン)が美肌作りに大きく影響しているからです。
睡眠中に分泌されるホルモンの主な美肌効果は次の通りです。
・体内の水分蒸散を防ぎ、肌ツヤを改善
・肌の水分量UP
・皮膚のターンオーバーの促進
・肌の老化抑制
・活性酸素の除去
・成長ホルモンの分泌を促進
以上のような理由から、質の良い深い睡眠は、肌荒れを改善したり、シワやシミを予防してくれたり、肌のキメを整えたるなどして美肌へと導いてくれるのです。
言わば「睡眠がいちばんの天然美容法」とも言えるでしょう。
睡眠障害が生活習慣病を招く!?
慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や意欲の低下を引き起こし、美をも損なうだけでなく、健康をも害します。
多くの研究によって、睡眠障害が生活習慣病の罹患リスクを高め、症状を悪化させると言われています。
実際に慢性的な寝不足状態にある人は、肥満に始まり、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患、さらには高血圧や心不全、虚血性心疾患、脳血管障害などといった生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。
入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒など不眠症状のある人は、良眠している人に比べ、生活習慣病になるリスクが高く、寿命を縮めてしまう恐れがあるので要注意です!
不眠対策に今日からできる5つのこと
更年期とは切り離せない不眠ですが、前述した通り、睡眠不足は女性の美と健康を損ないます。
そこで、不眠を少しでも解消し、質の良い睡眠をとるために、ぜひ行っていただきたい5つのことをと紹介します。
1.体内時計を整える
加齢とともに体内時計機能が低下し、睡眠リズムが乱れやすくなります。
規則正しい生活を心がけ、毎朝決まった時間に起きるようにしましょう。
そして、起きたら朝日を浴びるのも忘れないでください。
太陽の光を浴びることで体内時計が調整されるだけでなく、睡眠に関わるホルモン「メラトニン」が分泌されて、夜眠りにつきやすくなりますよ。
また、日中に眠くなるのは睡眠が足りていない証拠です。
午後3時頃までなら、短時間のお昼寝もおすすめですが、時間はせいぜい15分~30分程度にとどめてくださいね。
2.適度な運動と趣味を楽しむ
適度に体を動かしたり、趣味を楽しんだりすることも大切です。
心とカラダは連動しているので、ストレッチやウォーキングなど、無理のない範囲でカラダを動かしましょう。
ご夫婦で楽しみながらできるとより効果的です。
また、趣味など好きなことを楽しんだりすることで更年期症状にも良い影響があります。
大事なことは、毎日少しずつでも継続して続けることです。
思い切り活動すれば夜の寝つきも良くなりますよ!
3.カフェインやアルコールはほどほどに!
よく眠れないので寝酒を飲むという人がいますが、アルコールには覚醒作用があり、質の低い眠りになるので控えましょう。
カフェイン類の摂取も眠りの妨げになるため、夕方以降は摂らない方がいいでしょう。
また、夕食は就寝3時間前までにし、量を摂り過ぎないように注意してください。
基本的に就寝前は、アルコール類、カフェイン類、タバコ類などの刺激物は避けて、入眠タイムを作るよう心がけましょう。
4.入眠タイムを作る
夜なかなか寝つけないのは、脳もカラダも眠る体制になっていない可能性もあります。
寝る直前は、先に述べたカフェインやアルコール、食べ物などは避け、ハーブティーなど、鎮静やリラックス効果がある飲み物を飲んで神経を鎮めましょう。
その際は部屋を暗くし、静かなヒーリング音楽を流したり、鎮静やリラックス効果があるアロマオイルの香りに包まれながら、ゆっくり呼吸するように意識するとより効果的です。
逆にスマホやタブレットなどのブルーライトは覚醒してしまうので、見ないようにしましょう。
5.医薬品・サプリ摂取や専門
不眠はもとより、更年期症状を改善するようなプラセンタなどの医薬品やサプリを摂取するのも一つの手です。
服用するだけですので、手軽でストレスなく継続することができます。
忙しい方や面倒くさがり屋さんにもおすすめですよ。
また、症状が辛いと感じたら、無理をせず早めに婦人科にご相談されることをおすすめいたします。