COLUMN
コラム
でもその症状には個人差があり千差万別です。
なぜそのような違いがあるのか、少しでも症状を軽くするためにはどうしたらいいのか、わかりやすく解説します。
人によって違う更年期の症状
日本人の更年期女性によくみられる更年期障害の症状として、肩こりや疲れやすさ、ほてり、のぼせ、多汗、不眠、イライラ、落ち込みなど、さまざまな心身の不調が報告されています。
しかし、個人差が大きく、ほとんど無症状で「更年期はなかった」と言う人もいれば、日常生活に支障をきたすほど症状が重く「何もできないくらい辛くしんどかった」と言う人までいろいろです。
同じ更年期でもなぜこのような差が生じるのでしょうか。
そもそも更年期障害はなぜ起こるのでしょう。
更年期障害が起こるメカニズム
女性の体は一般に月経のある約40年の間、「エストロゲン」という女性ホルモンによって、心身ともに守られます。
エストロゲンは毎月月経を起こし、妊娠はもちろん、肌のハリや潤いなど美容にも大きな影響を与えます。
また、自律神経や骨、血管などにも大きく関係し、精神の安定や動脈硬化、認知機能の維持にも関わっています。
閉経前後10年間くらいの更年期になると、卵巣の働きが衰えて、このエストロゲンの分泌量が急激に減少します。
脳は卵巣の機能低下に気づかず、減少した女性ホルモンを増やそうと卵巣に指令を送りますが、脳がいくら「ホルモンを出せ」と指令を出してもホルモンは分泌されません。
そのため脳がパニックを起こして通常の何倍もの指令を出すために、ホルモンバランスが乱れ、異常な発汗やほてり、イライラなどの心身の不調が生じるのです。
それではなぜ症状が重い人と軽い人がいるのでしょうか。
症状が重い人と軽い人の差は?
症状に差が出る主な要因は以下の通りです。
・エストロゲン(女性ホルモン)の減少
・体質や気質
・家庭や職場の環境(人間関係などを含む)
・周囲の更年期に対する理解
・生活習慣
症状に差があるのは、一般に女性ホルモンが急に減少するという直接的な要因に加え、その人が持っている体質や気質、また生活環境や人間関係など外的な要因が複雑に絡み合って症状の強弱が出ると言われています。
ホルモンバランスよりもむしろ外的要因の方が大きいとも言われていて、家庭や職場での人間関係を改善したり生活習慣を見直したりするだけで症状が軽くなるというのもよくある話です。
性格的にネガティブなほど重くなるという事例もありますから、更年期の間は特に意識してポジティブシンキングにした方がいいでしょう。
特に閉経後の更年期は、それまであったエストロゲンのお守りがなくなり、日頃の生活習慣がもろに体に影響し始めますからより注意が必要です。
脂質異常症や動脈硬化、骨粗鬆症、鬱など、さまざまな病気になりやすくなりますから、しっかり対策するようにしましょう。
更年期を少しでも軽く乗り切るためには
人によっては何もできなくなってしまうほど辛い更年期。
少しでも軽くするためにできることとして、以下の5つの方法をご紹介します。
・生活習慣の見直し
・家庭の環境改善(パートナーとの愛情確認)
・家庭や職場の環境改善
・市販の医療品やサプリメントでケア
・医療機関でケア
やはり何といってもいちばんは生活習慣の改善です。
朝の光をしっかり浴びるところから始め、「バランスのよい食事(特に大豆製品とビタミンEがおすすめ)」「適度な運動」「良質な睡眠」を毎日心がけてください。
できれば家族にも協力してもらいましょう。
特に配偶者やパートナーとの愛情の確認はとても大事です。
また、職場での人間関係の改善や、負荷のかかる仕事の見直しなども行えるといいですね。
家庭でも職場でも、自分が更年期で症状が辛いことをはっきり伝え、周囲に理解してもらうことをおすすめします。
環境改善が難しい場合は、とりあえず市販の医療品やサプリメントでケアしてみて様子をみてもいいでしょう。
それでも症状が辛かったり改善したりしない場合は無理をせず、なるべく早く医療機関に相談するようにしてくださいね。