加齢に伴う免疫力の低下を補い、免疫力をUPする方法やカルシウムとの意外な関係をご紹介します!
免疫とは?
「免疫」とは、外から体内に侵入してくる細菌やウイルス、または体内で発生するがんなどの異常な細胞を常に監視して撃退する「自己防衛システム」のことをいいます。
私たちのカラダの中では、毎日がん細胞などの異常な細胞ができていますし、日常生活において菌に触れずに暮らせることはまずありえません。
スマートフォンやテーブルなどの家具類、キッチンやバスルームなど、さまざまなところに無数の細菌がいます。
それでも病気にならないのは、カラダに備わっている免疫システムが働いてしっかり撃退してくれているからです。
人の免疫システムは実に精巧で、いくつもの免疫細胞が協調し合って働いています。
このシステムは15歳くらいまでに完成し、20歳を超えると徐々に落ちていきます。
そもそも免疫細胞とはどういうものなのでしょうか。
免疫細胞はどうやって生まれるの?
免疫細胞のほとんどが骨の内側にある「骨髄」で作られています。
骨髄の中の「造血幹細胞」で生まれた免疫細胞は、「骨髄系幹細胞」と「リンパ球系幹細胞」に分かれ、次々に進化して成長していきます。
攻撃の先陣を切る「マクロファージ」などの「単球」や、大きな病原菌を殺滅する「好中球」「好酸球」「好塩基球」からなる「顆粒球」、リンパ球の一つで敵に素早く反応する「NK細胞」、がんなどの強力な敵に対抗する「B細胞」や「T細胞」など、さまざまな種類の免疫細胞が優れた連係プレーを行って多彩な攻撃を展開しています。
しかし、骨を作るカルシウムが不足することで、骨髄にある造血幹細胞の機能も低下しまい、免疫システムがうまく働かなくなってしまうことがあります。
実はカルシウムと免疫は、切っても切れない関係にあるのです。
カルシウム不足は免疫力のピンチ!
カルシウムの貯蔵庫である骨は、常に「新しい骨を作っては古い骨を溶かす」を繰り返し、生まれ変わっています。
これは、「骨芽細胞(カルシウムなどを付着させて骨をつくる細胞)」と「破骨細胞(骨を溶かす細胞)」の働きによるものです。
古くなった骨に破骨細胞が集まって溶かされ、その破損した部分に骨芽細胞が付着して新しい骨を作ります。
このようにして、骨は3~4ヵ月かけて新しく作り直され、約3年で全ての骨が入れ替わります。
しかし、加齢や生活習慣、ストレスなどによって、骨をつくる「骨芽細胞」の働きが衰えると、骨を溶かすスピードに修復するスピードが追いつけなくなってしまいます。
破骨細胞ばかりが強く働いていると、骨からどんどんカルシウムが溶け出して骨密度が低下し、骨がスカスカになってしまいます。
最近の研究では、骨密度が低下すると、骨髄内で生まれる免疫細胞の量も減少することがわかっています。
つまり、カルシウム不足が免疫力の低下につながっているのです。
一般に、骨量は20歳代に最大骨量に到達し、40歳くらいまで維持されますが、そこから徐々に減少していきます。
とくに閉経後の女性は急速に骨量が減少してしまいますから注意が必要です。
免疫力低下を防ぐためにも、カルシウムは人のカラダにとても大切な栄養素です。
不足しないように気をつけましょう。
次回は、生活の中で免疫力を上げるためにできる具体的な方法をご紹介いたします。