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骨粗鬆症とカルシウム

骨粗鬆症とカルシウム

骨粗鬆症とは、骨量が減ることに伴って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
骨粗鬆症のリスクは男性よりも女性の方が多く、女性は閉経をきっかけに骨密度が急激に減少します。

また、高齢者においては加齢とともに骨がもろくなり、食事の摂取量の減少などによっても骨量の減少が進みます。
その結果、ちょっとした衝撃においても骨折しやすくなるのです。

また、骨量の減少は自覚することが難しく、骨粗鬆症においても初期では自覚症状はほとんどありません。


「背中や腰が曲がってきた」、「身長が縮んだ」、「起き上がったり、立ち上がる際に背中や腰が痛む」といったように進んでも、加齢に伴う老化現象として軽く考え治療せず、骨折などの大きな怪我をして初めて骨粗鬆症がかなり進行していたということに気付く場合もあります。

このような骨粗鬆症を防ぐためには、日頃から骨の材料となるカルシウムをしっかり摂取することが重要なのは言うまでもありません。

しかし、カルシウムだけを摂取して骨量を増やせばいいかというとそれほど簡単な話でもないのです。



【カルシウムだけでは骨は作られない?!】


食品から摂取するカルシウムは体内における吸収率が非常に悪い栄養素でもあります。
そのため、カルシウムを多く含む食品だけを摂取していても一向に骨量は増えません。
骨量を増やすには、カルシウムと一緒に摂取率を高める栄養素も必ず必要となってきます。

ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの体内吸収を高め、骨への沈着を調整し、骨形成を促す働きがあります。
また、不足時には尿中からカルシウムの再吸収を促すため、カルシウムが体内で十分に働く為に欠かせない栄養素です。
ビタミンDはきのこ類(干し椎茸、きくらげ)、魚類(さけ、かつお、イワシ など)、卵黄などの食物から摂る以外に、日光の紫外線を受けることにより私たちの皮膚でも生成されます。

ビタミンK
ビタミンKはカルシウムの骨への沈着を促進します。
ビタミンKの中でも、納豆に含まれるビタミンK2が骨粗鬆症の予防に役立つと期待されています。
このビタミンK2は私たちの腸内細菌によっても作られるため、腸内環境を整えておくことも重要です。
また、ビタミンKはビタミンDと一緒に摂取することで、カルシウム吸収を促し骨量を増やすための相乗効果が得られます。

この他にも、体内でカルシウムと一緒になって健康な骨や歯を作るために働く栄養素も欠かせません。
その栄養素の一種にマグネシウムやビタミンCといったものがあり、これらも一緒にとるようにしましょう。

マグネシウム
体内のマグネシウムのうち約60%が骨に貯蔵され、丈夫な骨を維持するために働いています。
マグネシウムとカルシウムはブラザーイオンと言われるほど、互いに密接に関わっており、マグネシウムが不足すると、体内のカルシウム量も減少します。

ビタミンC
骨と骨をつなぎスムーズな動きを可能にしている靭帯や、筋肉と骨をつないでいる腱などはコラーゲンというタンパク質の一種からできています。
コラーゲンは骨に多く存在し、丈夫な骨を形成して骨折などの怪我の予防にも働きます。
このコラーゲンを作る際に必要となってくるのがビタミンCなのです。




【カルシウム摂取のタイミング】


◎カルシウムによって骨が作られる時期

骨量が増え、骨が成長する上でその材料となるのがカルシウムですが、この骨が作られる時期というのは決まっています。
多くの人は、12歳ごろから急激に骨量が増えその後20歳前後でピークに達し、それ以降は成長することなく維持もしくは、骨量は減少していきます。
そのため、この20歳までの時期にいかに多くのカルシウムと必要な栄養素を摂取出来るかが、その後の健康寿命に大きく影響してきます。


◎食生活の中でのタイミングとポイント

カルシウムは胃酸によって分解され、腸で吸収されるため、胃酸がよく出ている食事直後に摂取するとより吸収されやすいです。
また、レモンや、梅干しなどに含まれているクエン酸にも腸管でのカルシウム吸収を高めてくれる働きがあるため、これらと一緒に摂るのも有効です。
反対に、ほうれん草に含まれているシュウ酸や、加工食品や清涼飲料水に含まれる過剰なリン、食物繊維の大量摂取などはカルシウムの吸収を阻害するため、避けるようにしましょう。



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